年の暮れの雪の思い出

クリスマスイブから降り続いている雪は
福井市内で20cmくらい積りました。
畑(ハウス)は海沿いなので
5cmくらいで、少ないです。
この時期の雪には思い出があります。
オイラがまだ幼稚園のころ
年の暮れに、姉と2人で
母が注文しておいた、
正月用のもちを、
5kmくらい離れた町の餅店まで
受け取りに行くお使いの思い出です。
お店の都合で、もちは夕方に出来上がるとのことで
夕方薄暗くなってから、
姉と2人で歩いて行きました。
この日は、吹雪で10~20cmの雪が積もってました。
オイラは正月のお雑煮が大好きで、
「もち!」「もち!」と言いながら
ウキウキと元気に歩きました。

どれくらい歩いたか覚えていませんが
やっとお店に到着して、
姉が、
もちの引き取りに来たことを伝えました。
すると、
ご主人が店の奥から
大声で
「忙しくて、まだ出来ていない!」
と、険しい顔で言いました。
まるで叱られたような気持ちでした。
仕方無く、オイラと姉は
もちを受け取ることができず
手ぶらで、家に帰ることになりました。
帰りの道のりが、とっても長く感じられました。
横殴りの吹雪が、寒くて、冷くて
真っ暗な道のりでした。
歩いている途中、
姉は泣いていて、
オイラが、
「もち、無かったね。」
姉が
「うん。」
また、オイラが
「もち、無かったね。」
姉が
「うん。うん。」
家に着くまで、
オイラは、同じことを言ってました。
ギュッとつないだ姉の手が
とても暖かったです。
やっと家に着くと
母が待っていてくれて
いきさつを話しました。
家の中で、ぬれた身体や髪を拭きながら
暖かくて甘い甘酒を飲ませてくれました。
その間、母と姉が泣いていたことを
覚えています。
その後、正月のもちはどうなったのか
覚えていません。
年の暮れに雪が降ると、
胸のあたりが、ギュッとした感じになる
昔の思い出です。

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